心の豊かさへの要求の高まり 3

自然との触れあいは心を豊かにする上でとても重要なことだと思います。


野原や森や浜辺に行ってみるのです。


自分の庭園で花 種を育ててみるのもいいでしょう。


森林浴という言葉も生まれています。


そういうなかで、人は心の安らぎを感ずるものです。


都市の喧騒のなかでは精神は疲れ果てます。


ストレスも溜まります。


そういうものを逃れて自然に帰っていきます。


・・・これがますます大切になっていきます。


第三は、「おまえとの出会い」。


・・・つまり、非常に親しい間柄、夫婦、親子あるいは先生と弟子、恋人同士といったものの間の出会いです。


利害打算の「生き馬の目を抜く」間柄ではなく、利害打算を越えた人間的な交わりです。


人はまた、そうした間柄のなかで心の安らぎを感じるものです。


第四は、「わたしたちの出会い」です。


これは、共同で集会したり議論したりすることを通して生じてくる、人と人との出会いです。


こういうなかで人は人間に帰るのです。


人間らしさを味わっていきます。


こういったことが現に要求されており、これからもますます要求されていくでしょうというわけです。


私もそのように思うものです。

心の豊かさへの要求の高まり 2

今、生涯学習の希望者の一番多いのはココロにかんするコースだそうです。


モノでは満ち足りてきたけれど、心はなにか満たされない・・・。


そういう人々が多くなってきたのではないでしょうか。


ココロの豊かさへの要求、そうした要請が今後ともますます高まっていくことは確実です。


これに関連して、ドイツのヘルダー・ドルナイヒという人が主張していることを紹介します。


この人はべゲーグネン、つまり「出会い」というものを非常に大切に考えています。


これからはココロの豊かさへの要請の高まりとともに、「出会い」がますます要求され、社会的にも重要となってくるといっています。


そして、その「出会い」を4つに大別しています。


第一は、「自分自身との出会い」。


人が自分に帰り、自分とはいったい何か、人生とはいったい何かということを自省してみる。


第二は、「自然との出会い」。


最近の傾向として都市化がますます進み、自然との間がいよいよ開いています。


そこで自然に帰ることが求められてきます。


ペンタキープなどガーデニングをすることもオススメです。


心の豊かさへの要求の高まり

・・・以上のようなサービスは、サービスといっても、なにか物的・経済的なものに直結していますが、そういうものを越えた非経済的な要求も非常に高まっています。


心の豊かさへの要求です。


これは当然のことです。


モノが満ち足りてきました。


男性の間ではハミルトン ジャズマスターなど高級ブランド志向になっています。


しかも非常に長生きするようになり、定年後も、もう一つの長い人生があります。


週休二日制はすでに一般化しており、近い将来、週休3日制も現われてくるはずです。


人間の働く時間はますます短くなります。


ところが、人はただぼんやり過ごすだけではやっていけなくなります。


いわゆる「生きがい」の間題です。


生きがいといったそういう世界がすでに今日、要求されてきているし、今後ますます要求されていくでしょう。


私はだいぶ前から生涯学習の間題についていろいろと考えていたのです。

新しい生協の事業

今、日本で老人が好んで行くところといえば、どこでしょう。


病院の待合室です。


定年になってから、弁当を持って近所の病院に出かけていきます。


わびしい限りです。


老人がもっと気楽に行けるようなところが、現在もそうですが、これからますます要求されてくるはずです。


私は以前から、例えば銭湯を考え直したらどうかといってきました。


最近はみんな自分の家に風呂を持つようになったから銭湯は斜陽化してきましたが、これを考え直してみたらどうかと思います。


江戸時代の町の銭湯はたんに体を洗うだけのところではなく、社交場でもありました。


どんなものでしょうか。


今、街角の銭湯で、風呂からあがると碁盤や将棋盤があり、2階はカラオケ、3階では盆踊りもできます。


これにハリやアンマを結びつけ、老人が気軽に行けるといったようなところがあれば、どうでしょう。


こういうものがこれから非常に求められるはずです。


生協の事業としても、そういうものがあってよいと思うのですが、どうでしょうか。

定年したら・・・

日本の飲み屋は総じて若い人の行くところです。


私もときどき行きますが、もうこの年になると、左党であるにもかかわらず、どうもなじめないものです。


入った途端に疎外され、出るまで疎外されています。


雰囲気になじめず、隅っこで一人、黙々と飲んでいるだけで、全然面白くありません。


わたしの行くところではないようです。


「知命の齢」ともなれば、男はもうそろそろ覚悟した方がいいですね。


定年になると、だいたい一週間ぐらいは奥さんも大事にしてくれます。


「ごくろうさんでした」と、晩酌に一本つけてサービスもいいものです。


2週間、3週間となると、だんだん待遇が悪くなります。


1カ月もサービスの続く奥さんはまずいません。


それだけでなく、邪魔者にされ始めます。


図体の大きいのが朝から晩までごろごろしていて、目について仕方がありません。


すでに「粗大ゴミ」といわれています。


それでは、と外へ出てみても行くところがないのです。

老人ばかりのスナック

日本の公園では、1日中、そして夜中までいるのはカップルか浮浪者で、老人が1日じっとしていられるような雰囲気とは違います。


あるいは、最近はやりのスナックも、ヨーロッパではむしろ老人の行くところで、若い人の行くところではないようです。


10数年前、私がウィーンにいた頃、下宿の近くのスナックに行ってみると老人ばかりでした。


特別な飲み屋に来たのかと思って、2、3軒店を変えてみましたが、どこも同じでした。


そこで相客の老人に、「若い人は来ないのか」と聞いてみました。


私の質問を受けた老人は、けげんな顔をして私を見て、逆に質問したのです。


「なんで若い人が飲めるのか」と。


そして次のように話してくれたのです。


「若い人は飲んでもよいが、明日は働かねばならないから、すぐ帰らなければならない。


わしは2年前に定年になったから、一晩中飲んでいてもいいじゃないか」と。


・・・そういわれてみればその通りです。


ヨーロッパでスナックが、住宅街のなかにポツンポツンとあるのはそのためなのです。


近所の老人が、一晩中飲んだり食ったりだべったりしています。

「ラク」をするためにお金を使う

数年前、九州でその年の夏にダントツで伸びた商売が墓の掃除だったと聞いて、驚いたことがあります。


田舎に墓があるが掃除に帰れないので、つい人に頼むということになってしまう人も多いでしょう。


兄弟などがいる場合はまだしも、知人に頼んだりすると非常に気をつかうものです。


そこで墓の掃除を代行する商売ができたわけです。


これが爆発的に伸びました。


いわゆる便利屋さんや弁当屋さんも同様です。


これらを「安楽サービス」といっているわけですが、こういうものはいくら伸びてもモノの消費量は伸びず、ただサービスが移転するだけです。


それが事業化されてきているのです。


また、高齢者向けのサービスへの需要が急増するはずです。


だいたい、日本には老人の行くところがありません。


ヨーロッパでは、例えば公園などは、どちらかというと高齢者がゆっくり暇を楽しむところです。


若いカップルも来ますが、だいたいぐるっと回って出て行ってしまいます。

生活ニーズが変わる 3

近年延びているのは健康サービスです。


例えば、スイミング・クラブとかテニスコートというのは、しばしぼ社交を兼ねた、健康に結びつく健康サービスです。


今、若いカップルを見ていると、旦那さんを会社へ送り出して、奥さんの方はラケットを持って友だちとテニスコートへ、といったことは珍しくありません。


つい最近まで、わたしたち庶民では、こういうことは考えられなかったことです。


かつてそんなことをやっていたのは、ごく一部の経済貴族だけでした。


今、日本は一億総貴族化しているといえるぐらい、生活が上がってきているということです。


健康サービスとしては、これ以外にも、ハリ、アンマ、指圧、またさまざまの健康術といったものも注意されていいでしょう。


高齢化も加わって、それらへの需要はすでに急ピッチで伸びていますが、今後とも加速していくでしょう。


カネができると、人はラクをしようとします。


そのためのサービスへの需要も伸びるのです。


これを「安楽サービス」といっています。


ちょっと厄介なことは、もう人にやってもらおうかということになります。


最近はお手伝いさんが少ないから、家事手伝いサービスが企業化されています。


あるいは、留守番サービスもあります。


家にいないと具合が悪い、そんなときに留守番だけを頼めるサービスです。


留守番の場合は、信用のおける人が求められるから、そういう人を集めてきて企業化するということになります。


生活ニーズが変わる 2

ある統計によると、紙おむつから入れ歯まで含めるとシルバー商品は4000品目ぐらいあるそうです。


そういったシルバー商品の市場は今でもすでに合計20兆円余りですが、高齢化率が16%になる数年後には60兆円ほどになるといわれています。


高齢化率はさらに24%にもなるといいますから、シルバー商品の需要はまだまだ伸びるはずです。


これからは「ヤングをねらえ」よりも「オールドをねらえ」ということにもなってくるかもしれません。


・・・しかし、総量としては、モノへの需要は横ばいです。


モノが満ちあふれたのですから、モノ以外のものにカネを使う傾向が強くなります。


今、伸びているのはサービス需要です。


旅行、社交、趣味、教養などにカネを使う動きが広がってきました。


ゴージャスなレストランがいっぱいできました。


ひところは、外食産業が爆発的に伸びました。


外食産業というのは社交的要素もあり、人と行って比較的安く楽しめます。


社交、趣味、教養、学習などのサービスはすでに生協でもやっていますが、いわゆる文化教室とかカルチャーセンターが提供しています。


これらもまた、近年急速に伸びてきた分野です。

生活ニーズが変わる

最近の健康食品や健康飲料のコマーシャルには、しばしば、いかに糖分が少ないか、いかにカロリーが低いかということをうたい文句にしたものがあります。


だいたい、人間が食べたり飲んだりするのは栄養のためです。


栄養がいかに少ないかを宣伝することが健康飲料や健康食品の広告になるというのは、おかしいことではあります。


そのくらい満ちあふれた社会になったとでもいうべきでしょうか。


ともあれ、健康に結びつくようなものは結構伸びています。


飲めば飲むほど健康にいいといった酒でも出れば、伸びること請け合いです。


飲んで体によいという薬用酒はありますが、薬用酒で晩酌をやる気にはなれないでしょう。


晩酌をやりながら体によいといったものがあれば、爆発的に伸びると思いますが、いかがでしょうか。


さらに今後は、なんといっても高齢者が非常に増えますから、シルバー商品、高齢者向けの商品が今後ますます伸びるでしょう。


当然、店内に「シルバーコーナー」などができていいでしょう。


高齢者用のいろんなものが揃っているといったコーナーです。

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