AT&Tの解体
いかにAT&Tが巨大な企業となったからといって、規制独占体であるかぎり、公益事業として縛りつけられた巨人プロメテウスはどのような力を持っていようとも、それを発揮することはできなかったし、また許されもしなかったのです。
過去20年間こうした状況のもとでは、巨人は眠り続けるよりほかに仕方がなかったのです。
組織は必然的に官僚化してしまったし、有名なベル研究所も、そのままでは宝の持ち腐れになるしかありませんでした。
巨人が眠り続けている間に、世の中は第二次産業革命を迎えて大きく旋回しつつありました。
この革命の台風の目は、いうまでもなくテレコミュニケーションとコンピューターにあったのです。
『目ざめるアメリカ産業』という本のなかで、ハーバード・ビジネススクールの著者たちは、このような変化について、次のように書いています。
「・・・過去20年間にわたって、アメリカの多くの産業に影響をもたらしてきた企業環境の変化は、テレコミュニケーションにも同様に挑戦してきました。」